エンゲルベルト・フンパーディンクとカラオケ/父はかく語りき
~伊勢太郎の父はかく語りきシリーズvol.12~
こんにちは、make me smileです。
今回はタイトルの通り、2本立てで行きたいと思います。
まず1本目のお題。例によって古い話です。と言うか「古い人物」の話です。
「エンゲルベルト・フンパーディンク」をご存じでしょうか。
「一体誰?」と思う方もいらっしゃると思いますが、その昔、音楽業界で一世を風靡した「シンガー」であり「エンターテイナー」です。
60代・70代、高齢で音楽好きの方ならご存知かと思います。
手元にある、1968年発売(古すぎ)のシングル・レコード盤(古すぎ)「ラスト・ワルツ」(古すぎ)の解説によると、彼は1963年生まれとなっていますので、御年84歳の「完全な爺様」になる訳です。
初めて彼の存在を知ったのは確か中学生だったかな…(記憶が相当あやふや)。今から50年ほど前になるでしょうか。
TVで毎週土曜の午後11時から(やはりあやふや)「トム・ジョーンズ&エンゲルベルト・フンパーディンクショー」なる30分番組がありました。
「トム・ジョーンズ」は知っていましたが、(ヒット曲「ラブ・ミー・トゥナイト」や「思い出のグリーン・グラス」で)、「エンゲルベルト・フンパーディンク」は全く聞いたことのない名前でした。
『ややこしい長い名前のオッサン』程度の認識で、番組を毎週見ていたのですが、その歌声やパフォーマンスは徐々に私の音楽心を魅了していったのです。
トム・ジョーンズに勝るとも劣らない圧倒的な歌唱力、その華麗なダンス・パフォーマンスには圧倒され、ある意味「憧れ」すら感じました。
もし僕が歌手になったとしたら、
あんな声であんな風に歌いたいなあ…
もちろん、今でもそんな気持ちです。
ちなみに「憧れの声質」には、もう一人のアーティストがいます。
そのアーティストについては、改めて別の機会にお話しする事にします。
その昔、私がまだ現役バリバリのサラリーマンだった頃、恐れ多くもカラオケで「ラスト・ワルツ」、「いそしぎ」、「太陽は燃えている」など、彼のヒット曲を歌ってしまいました。
恥ずかしさのかけらもなく、すっかりその気になっていい気分で歌ったものです笑。
私は、高校生の時から現在に至るまで、彼のアルバムやカセット・テープ、そして時代がレコードからCDに変わればCDと、結構買い集めています。
数年前には廉価版のライブDVDを入手しました。
50~60代の時のライブらしく、その表情には程良い年輪が感じられます。
にもかかわらず
初老にも関わらず軽やかに踏む華麗なステップと
昔と変わらぬ声量
そして心をくすぐる「ベルベット・ボイス」
もはや永遠です
シナトラ、プレスリーは言うまでもないビッグスターであり、誰もが知るところ。
もちろん彼らも好きなアーティストだということには間違いないのですが、私にとって『ややこしい名のオッサン』は完全に格別で、私の中では彼を超えるアーティストはいません。
先日、YOUTUBEで恐らく80歳に近いであろう彼の動画を観ました。
全盛期に比べると、当然衰えは隠せません」。昔とは違う、完全な「爺様」。
でも彼の様な「ジェントルで、エネルギッシュなエンターテイナー」は今後も現れることは無いでしょう…2度と…
多少、カラオケの話が出たところで2つ目の話題に移ることにします。
私が中高の時に夢中になって聴いていたのは、もちろん圧倒的に洋楽が多かったのですが、中学生の時「内山田洋とクールファイブ」にはまった時期がありました。
多分、私の母親の趣味だと思いますが、我が家には「クールファイブ」の2枚組の実況録音盤がありました。
今は「ライブ盤」と言うのでしょうが、当時はそのような呼び方は一般的ではありませんでした。
会場で録音され、レコードになったもの→実況録音盤
コンサート→実演
と呼ばれていました(今それを言ったら恐らく笑われますね)。
私はそれを結構頻繁に聴いていたため、司会者の曲紹介やメンバーのトーク、次に何を喋るかまで完全コピーして覚えていたような気がします(まさに自己満…)。
その影響でクールファイブ初期のヒット曲は全て「前川清のモノマネ風」に口ずさむことができましたし、社会人となりカラオケに行っても「困った時のクールファイブ」でした。昔の事なので接待が多かったのですが、上司から歌うように言われても選曲に悩む事もなく、客を待たす事もなく、おまけに司会者よろしく実況録音で覚えた「歌の紹介」まで付けて歌ったものです。
これは母に感謝かもしれません。
結局、私自ら購入したクールファイブの音源は20年ほど前、30曲近く収録されているカセット・テープだけでした。
4~5年前にベスト盤のCDをレンタルした事があり、それは今でも年1~2回は聴きます。
私が社会人になった時は、ちょうどカラオケが流行り始めた頃とじきを同じくしています。
まず「8トラ」と呼ばれたカラオケ・システムでした。
ピンとこない方がいるかもしれませんが、分厚い巨大な「8トラック」のテープを「ガシャッ」と入れます。
カセット・テープではありませんよ。
曲数も限られていたように思います。
この8トラックの再生装置は我が家にもありました。
ギターのミニ・アンプほどあったような記憶。結構デカかったかな。
その後、レーザー・ディスクやカラオケ屋さんが運営する今のシステム「リモコンによるカラオケ」が導入されます。
スナックや飲み屋で歌う時には、聴きたくもない他人の下手な歌も聞かなければなりません。オマケに歌の終了時には、心にもない拍手までして……。
今でこそ気の合った仲間同士の「ボックス」や「一人カラオケ」など、心行くまで歌うことが出来ます。
最近TVでカラオケの採点方式(音程やビブラートなどの点数による評価)を利用した、素人の集まった「カラオケ選手権」のような番組をよく観ます。
稀にプロが出演する回もあるようですが、私にとっては「悲しくて残念な番組」でしかありません。
司会の境正章が「さあ、得点は…何点、何点」と言う番組です(女房が好きで観ています)。
誰もが自由に歌えるシステムが出来上がった世の中です。
素人を出演させ、カラオケの点数で勝敗を競わせる。
審査員の様な芸能人達が素人の歌に「うまい、感動した」と目を潤ませる…。
私には「素人の歌合戦。安いお手軽な番組だな」と、最後まで観たことはありません。
某公共放送の「のど自慢」の方が数段マシです。
点数では歌に甲乙を付けられません。
当然、番組の制作者もそれは分かっている事。
素人同士が競い合い、機械の点数で優劣を決定する。
歌でプロ歌手に優劣を付ける訳にはいかない。営業的にも問題が生じる。
しかし素人同士だとその心配はない。素人なので真剣にやってくれるしリアクションも期待できるだろう。映像的にも面白い。
素人メインの番組です。恐らく出演料など経費的にも安く済むでしょうし、プロ同士では成立しない企画だと思います。
私が思うに
本当の歌とは
本当の歌手とは
決して機械や点数で計れる物ではない
と確信しています。
あくまでも個人の見解ですので「観たい人は観る、観たくない人は観ない」で良いと思います。
カラオケがらみの話題を2題書きましたが、今回はこの辺でお開きです。
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※伊勢太郎の父はかく語りきシリーズは不定期の投稿となります。