『Immensee』
数日間に及ぶ親戚の集いも終わり(自分は今無職ですのでハウスキーパーとして駆り出されていた)ようやく自分の時間が取れます。
怪談番組がお盆に入るにつれどんどん増していき、ハードディスクが結構満ちています。
入ってない時期は全然入ってないのにね…。
子どもがいたので、観ることもできず(母達に『子どもが怖くて眠れなくなると自分も困るから止めてくれ』と言われる)台所仕事をしながら携帯電話で、三木住職と匠平さんの怪談をこっそり聞いていました。本当はね、ながら作業で観たくないんですよね。テレビの前でガッチリ全てをスタンバイして観たいんですよね。しかしそうも言っていられないほど禁断症状出ており結局6時間ほどまとめて観ましたわ。幸せ。
無職なんだからせめて勉強くらいしろという伴侶の無言の圧力が凄かったので腰が重かったのですが(好きなだけ怪談観たかった)いよいよ始めることに。8年続けていたのですが去年は丸っと1年お休みしていた物があります。
肉体労働者だったので家に帰ってから机に向かうのは結構しんどいものがありますよね(根性なくてすみません)。長いことなんとかやってはきたのですが、去年は結婚もありなかなかうまく時間を作れず、泣く泣く「死ぬまでにまた再開できたら良い」と決断したものですが、こうもあっさり始められるとは笑
それもこれも今無職でいさせてもらっているからなのですけれどね。
Theodor StormによるImmensee
編者は中込忠三さんと佐藤正樹さんです。同学社さんには『同学社対訳シリーズ』というものがあるそうで海外文学で色々出してるみたいですね。
よく『みずうみ』というタイトルで出ています。一度教材で読んだ後、全編をしっかり読みたいなぁという事で買ったものです。
時代は1800年代のドイツあたりです。
どことは特に地名なかったはずです。
ラインハルトという老人の回想から始まるのですが、彼が子どもの頃幼なじみであったエリーザベトとどのように過ごし、思春期を経てさあ破れる。という感じです笑
ほんと5.6歳の頃から主人公ラインハルトとヒロインエリーザベトは仲が良くお互い結婚すると思い込んでいるほどでした。でも決定的に好きだとかは無くて、とにかく信じきっていましたよねお互い。さてラインハルトは大学にいくため故郷を離れるのですが、なんといいますか春を温め過ぎましたよね。地元にいたエーリヒという友達がエリーザベトに求婚しまくって、周囲のプレッシャーに負けたエリーザベトは結婚を許してしまいます。
ラインハルトが大学生頑張ってエリーザベトの事考えながら詩を書いてるうちに!
んでそれで終わらず、そこからなんだと思いますこの話は。エーリヒはラインハルトとエリーザベトの仲ですったもんだあった事知らないから家に招くんだよなあ、また。
ラインハルトとエリーザベトの気まずさったら。
勿論現代の汚さはありませんので清らかに話は展開いたします。
ただ、とにかく勉強しながら思っていたのは
『ラインハルト温め過ぎ!!!!』
次にあったら君にその秘密を打ち明けるからとか青年期一時帰省した際格好つけて言ったけど、好きだという気持ちを未来に伝えるとかタイミングよ!!!お前は待たす側だから良いけど待たされる側よ!!!!
誰が悪いとかは無いんですがとにかく全員タイミングが悪いですよね。タイミングに翻弄されてる感あるね。
というまぁ昔の恋愛小説なんですけど、貞淑さだとか、バンカラだとか、古臭い恋愛観を持つ自分には非常に胸をつまされました。良いですね、こういう。文中にすごく辛くなるような表現とか多くてね。
長い事相手を想っていた事があって、でも失恋したという方は読むべきだと思います。
美しい作品。
とにかく春はほどほどに。