ドイツの製菓製パン展示会②~ドイツ人は機械好き~
さて前回の続きになります。
前回紹介していたのは、ドイツの製菓製パン展示会・ibaで展示されているのは一体どのようなものかというお話。
- ibaとは
- 展示の仕方を新規提案
- 即売会をやっている
- 型の紹介
- ショーケースの紹介
を沢山の甘い写真と共に紹介してきました。
が、ここからがドイツの本領発揮です。
長くなるのでお付き合いください。
6.機械の展示
窯です。普通に欲しい。このようなタイプの窯は浮き具合が見えるので楽なんですよね。
これまた違った種類。
まだまだ窯。さすがなのかはわかりませんが、窯だけで色んな会社合わせても町内2つ分は売られていたと思います。こんなに窯作るのww
多すぎないか笑
窯に合わせてこちらがある程度生地の調整したりしていくものですが、窯を細かなニーズに合わせていくとは凄いです。その発想がない。
これも窯なんです。確か効率よく焼くための窯で、焼成されたプレッツェルは真ん中から自販機のジュースみたいに落ちてきます。横着なのかなんなのか。
ただ機械作りって、そういうところから発達していきますよね。作っちゃうのが凄い。
ピザ窯。しかもこれ、中で石板が回転しているため焼きムラができません。入れたものがちょうど一周した頃に焼けてくるのです。
焼き時間をデータ化してスピードの調整ができますwww
窯の展示はこんなもんじゃありませんでした。なんでそこまで細かく作るのとびびるほどで、単に作りたいのかと納得したのを覚えています。
材料をこのタンクに流してあれやこれやする機械。結局こういう機械って個人店が買うのではなく、大きな会社が買うのだろうか?と思っていたのですが
どうやら違うようだ
この機械、どう考えても個人店向けな気がするのです。しかしでかい。
この機械は恐らくですがクッキーやら何やらを絞るために存在しています(写真では絞られたものが寸胴に落とされ、また吸い上げられて絞られている感じ)。
自分が考える使い方ですが
恐らくこんなのだと。
①でベーキングシートなりなんなりかまします。
②紙の上に絞ります。
③を持つときには薄い板みたいなの差し込めば良いかなと思います。
④そしてこれを焼成して完成。
こういう機械はベルト速度も変えられるし使い勝手はいいですよね。とはいえもしこれが工場向けだとしたら、何故窯がセットでついていないのか、なんですよ。工場ならば成型後に焼成までをラインでやるはずです。
ということはやはり個人店が使う可能性がある。
さて今度はギッターというアイテムの紹介です。
写真の中央に少し見えているなんだかテニスラケットのガットような…
こちらはチョコレートをカットするのに使う道具です。断面を綺麗にカットできる優れもの。自分も良く使っておりました。ちなみに綺麗にカットできるとそのあと、トランぺ(チョコレートにくぐらす)やエンロービング(エンローバーと言う名の機械に入れて自動トランぺ)をすると側面が綺麗になります。
自分のプロフィール写真でも使用していますが、綺麗にカットされたボンボンはこうなります。
大きさも揃うので本当に素晴らしい道具です。
で、この会社ですが小さなギッターを売っている訳ではないようです。
これどう見ても機械ですよね?ただのショーケースじゃないよね笑
カバー開けられますしベルトついてるしボタンついてたら完全に機械ですよね^^
なんでこれをオートメーション化する必要があるの笑
なんでも機械化していないか?
次の紹介はこちら。
これはパイローラーと言って、生地を薄く延ばすために機械です、ミリ単位で調節ができます。ペダル式で右や左に交互に生地を動かし、機械中央部でローラーをかけていきます。日本だとこういうのが主流なのですが…
ドイツのはやたらとでかい笑
なんでやることは変わらないのにこんなにでかいの笑
こんな感じ。業務用冷蔵庫ぶっ倒した以上の大きさで、どう考えても日本の狭い厨房向きではありません。しかも打ち粉(適量)もしてくれます。打ち粉くらい普通は自分でするもんなんですけれど、凄いですよね。何のためにここまでやるのか。完全無人を目指しているのか。しかし無人で1から10まで済む機械ではありませんでした。
社長欲しがっていた。
安全カバー開いたらこんな感じです。
さて最後はこちら。これ自分的に問題作でした。
パイピングする機械です。
いやこれくらい皆しようよ笑
パイピングとは、よく「HAPPY BIRTHDAY」などメッセージを書くことを指します。もちろん模様を書けなくてはいけませんし、どんな文字も書けなくてはいけません。
洋菓子業界に就くのであれば最低限の技術として必要です。実際に書いてみても時間のかかる物ではありませんし、身についてしまえば、全く問題のない物です。
これはえらく昔に作ったウェディングケーキですが、パイピングってこんなものをイメージしていただければいかと。
…笑
なんというか機械作ることに夢中になってしまった感じだよな…。
正直言ってこんなことをしてしまっては職人は育ちません。
しかもこれがまたとんでもなくでかい機械です。
しかしそんなドイツが好きです
機械に力入れるあまり
ケーキそのものが進化していないところ
これでもほんの一部しか紹介できていませんが、おわかりになったと思います。
ケーキを作ることよりも、ケーキを作る機械造りに気合が入ってしまい
そのまま突っ走しり、気が付けば古典菓子ばっかり作っているドイツ。
隣国のおフランス様は洋菓子界を牽引し、いつも流行を生み出しています。そしてそんなことはお構いなしドイツは機械作りに没頭していき、信じられないような機械まで発明します。
そうそう忘れてました。
前回、『ギモーヴを作らずに、マシュマロを作りたい会社』についてお話ししました。
こういうことです。
マシュマロにプリントをする機械があるのです。イタリアの会社だったような気がするんだよなあ。
普通の白いマシュマロじゃやはり皆買いたがりません。そして何故そうなったのかプリントをすることを考えたようです。
いや果汁たっぷりの綺麗なギモーヴ売ろうよ笑
ギモーヴはこちら。マシュマロの事をフランス語ではそう呼びます。
伊勢太郎は学生の頃この店でギモーヴの手伝いしたことがあるので、こちらの写真にしました。全てピューレの色なので特別にとんでもない食用色素を使っている訳ではありません。
もう考え方が強烈ですよね。マシュマロ売れるようにするには印刷しちゃおうか!!
バッドマンのロゴもあれば、ibaのロゴもあります。五輪もあるしもうなんでもありですよね。ミニオンもいるのでUSJとかならめちゃくちゃ売れるんじゃないだろうか?
いかがですか?ドイツの機械。
なんかそこまでやるかっていうもの置いてあってカルチャーショックもいいとこでした。伊勢太郎はドイツ大好きです。正直地球には日本以外ドイツしかないと思っているくらいです。
なんていうんですかね、独特のだささがあるんですけれどそれが全く憎めない笑
まだこのネタ続けられそうなので続けたいと思います。
次回は会場で行われているデモンストレーションについて。
この煮凝りみたいな感じがいい。
フランスにはまずない。
こちらへ続きます。