柿の種を拾い集めるように

料理と音楽、たまに科学

修学旅行とジェネシス、スティーリー・ダン/父はかく語りき

~伊勢太郎の父はかく語りvol.10~

 

 

こんにちは、make me smileです。

 

一見、何のつながりもないようなタイトルですが、これは

修学旅行から戻って来た日、ジェネシスとスティーリー・ダンのアルバムを買いに出かけた

と言うことです。

 

 

全てが「一日のズレ」でした。

実際、帰ってきたのは翌日、買ったのも翌日です。

何故そうなったのかお話します。

 

今から約45年前、高校の修学旅行へ行きました。

正しくは見学旅行だという物らしいのですが、それは60歳を過ぎて知りました。

正確な日時はもう記憶にありませんが1週間くらいの日程で京都・奈良方面へ行ったと思います。

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あの時代、まだ飛行機なんてとんでもない話で、津軽海峡は連絡船で渡り、青森からは寝台車で東京へ行きました。お金持ち私立は別として……。

 

行きか帰りに新幹線の窓から富士山を見た記憶があり、それが思い違いだったかどうかは今年の正月、高校の仲間との新年会で確認できました。

私の記憶はあっていたようです。

 

私の高校は商業高校で、一学年女子が200人に対して男子が20人の学校でした。旅行中に女子高に間違えられたこともあります。

話がそれますので詳しくは書きませんが、色々あって

男子全員半日の外出禁止

旅館の便所掃除の罰

を受けたなど、話題と思い出に事欠かない旅行でした。

 

追い打ちをかけるように帰りの列車が大幅に遅れ(ストの影響?)連絡船が一便ずれたため、予定より10時間以上も到着時刻が遅れる始末。

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地元駅に帰着後男子全員でステーキを食べる予定も、その後にレコードショップによる予定もすべてお流れ泣。

 

何せ夜の6時に着く予定が、翌朝の6時に着いたのですから…

 

帰りは鈍行の夜行列車でしたので、ほとんど寝ていませんでした。

とりあえず、家に帰って爆睡。その日の午後から一人でレコード屋に向かいました。

 

旅行の残金でレコードを買うことは旅行へ行く前から決めていました。

 

 

ジェネシスは音楽雑誌の書評で、スティーリー・ダンは旅行出発前、実際に聴いた上で決めた事です。

 

 

 

私が買う予定だったスティーリー・ダンの最新アルバムはプリッツェル・ロジックと言うタイトルのアルバムで、聴いたと言うのはシングルカットされた「リキの電話番号」です。

この曲を始めて聞いた時の情景は、何故か鮮明に覚えています。

 

 

ある日の夕方、西日の暖かい光を半開きのカーテンの外側から感じながら、ステレオのFMラジオから流れる音楽…。

印象的なイントロに始まるねちっこい個性的な歌声。

そしてサビを聴いた時に思いました。

 

あっ、欲しい。これ買わなくちゃ

 

 

 

 曲のタイトルを聴いた時、すぐ頭に浮かんだのは「力道山:リキドウザン」のロングタイツ姿(古すぎ…実は小学生の時から熱烈なプロレス・ファン。G・馬場さんとA・猪木、坂口征二の身体にペタペタ触りました。5回は観に行っています…)。

 

 「プリッツェル・ロジック」を手に入れた私は、家に帰って早速レコードに針を落とした訳ですが、このアルバムは今でも好きなアルバムです。

 

 捨て曲無しなので、何度でも通して聴きます。好盤です

 

この後に、セカンド、ファーストと遡ってアルバムを買いましたが、4枚目あたりからバンドは事実上崩壊します。

 

結成当初は6人いたメンバーも2人組デュオになって、有名なスタジオ・ミュージシャンの参加によるレコーディングとなります。

 

そして5枚目、「彩(エイジャ)」の大ヒットにより、スタジオ・レコーンディング専門の、妙に玄人に受ける特別な2人組として、音楽界で扱われるようになります。

 

私は4枚目以降、もちろん5枚目の「彩(エイジャ)」も買いませんでした。

ベスト盤を買い4枚目以降の主な楽曲を聴いてはいますが、ほとんど魅力を感じません。

私の中のスティーリー・ダンは3枚のアルバムで終了した過去のバンドとなっています。

 

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 同時に買ったのはジェネシスの「月影の騎士/セリング・イングランド・バイ・ザ・パウンドです。これは見事に期待に応えてくれたアルバムでした。

 

ジェネシスのの名前は知っていましたが、聴く機会がないまま時が経っていました。

何より、リード・ボーカルのピーター・ガブリエルが派手なメイクをしたり、キツネ?のお面をかぶっている写真を見ていたので、受けた印象はあまり良くないまま遠ざけていたところもありました。

 

ただやはり、音楽専門誌でジェネシスのこのアルバムが絶賛されていたので、ちょっと気になり聴いてみようかなと思い買うことにした訳です。

 

当時の私にとって「ミュージックライフ誌」が唯一洋楽アーティストの情報入手の材料だったので「写真を見たので遠ざけた」「書評が高評価になっていた」とか両極端です。良い・悪いを行ったり来たり

 

友人が持っていれば借りて聴くとか、ラジオなどで流れた音を聴く以外は「専門誌」の批評を読むとか、自分を信じ、身銭を切って買うしかない訳です。

 

 

 

聴いた順序、買った順序など、時系列の正しい記憶は欠落していますが、俗に言う「プログレ」(プログレッシブ・ロック)は高校の時に好きだったジャンルです。

 

キング・クリムゾン

ムーディー・ブルース

ピンク・フロイド

エマーソン・レイク&パーマー

バークレー・ジェイムス・ハーベスト

PFM

キャメル

キャラバン

ソフト・マシーン

ゴング等々…

 

随分色々なアーティストを聴きましたし、それぞれに思い出があります。

マニアックな所ではマクドナルド&ジャイルス

あまりにも穏やかで、途中で眠ってしまいました……。

 

ジェネシスはピーター・ガブリエルがボーカルで在籍していた頃が好きでした。

ガブリエル脱退後、フィル・コリンズがボーカルになりましたが、それと同時に聴く事はなくなりました。

 

確かその後に買ったジェネシスの2枚組「眩惑のブロードウェイ」だったと思いますが、レコードの帯に書いてあった言葉は、その後も何かの機会に何度か私的に使わせてもらいました。まだ覚えています。

 

ジェネシスの音楽を

精神の糧、肉体の肥やし

と表現した文言です。

 

 

名言だと思います。ジェネシスに限らず、まさに全ての音楽について言えるのではないでしょうか。

 

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音楽を聴いて

元気が出た

感動した

涙が出た

一緒に歌った

踊った…

 

 全てが、

人生、明日への糧(かて)であり、肥やしになること

間違いないと思います。

 

 

 

今はプログレをほとんど聴きません。聴いても、何か別の事をしながら、完全に流してBGM扱いです。

若い時は、きっと自分にはまだ明るい未来があり時間もあると思っていたのでしょう。

だからこそゆっくりと集中したレコードの聴き方が出来たのです。

 

しかし残念ながら、今の自分にはそんなに集中して音楽を聴くような余裕があるとは思っていません。

 

最近のCDの買い方を振り返ると

80年代は良くて前半まで

まず90年代以降のものは皆無です。

60年代終盤からと、最も多いのが70年代に出たアルバムです。

 

聴いたことがある昔の歌、古い歌。そしてじっくり聴いたことのないアルバムを改めて聴く。今一度脳裏に刻み込んでおきたい……。

だから昔の話しかできないのでしょう笑

 

 年相応の音楽の聴き方、楽しみ方はそれぞれあると思います。

 

私は聴く専門としての音楽人生を、これからも熱く送りたいと思っています。

 

 

話が大きくなりましたが、この辺でお開きに致します。

 

 

 

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※伊勢太郎の父はかく語りきシリーズは不定期の投稿となります。