柿の種を拾い集めるように

料理と音楽、たまに科学

「ザナドゥ」と「グライド・イン・ブルー」/父はかく語りき

~伊勢太郎の父はかく語りきvol.9~

 

 

こんにちは、make me smileです。

 

今回は映画の話を2題。ともに音楽がらみの話です。

 

さて、私は映画が大好きです。

 

物心ついた時から映画好きの父に連れられ、東映の時代劇やヤクザ映画、日活の無国籍アクション、大映の市川雷蔵や勝新、月に2~3回のペースで映画館に行っていました。とにかく頻繁に通っていました

 

小学生になると一人で東宝のゴジラ、大映のガメラや大魔神、東映マンガ祭のアニメなど、映画三昧の幼少期だったと思います。

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高校の時は空手映画全盛期

「燃えよ、ドラゴン」は学校を休んでわざわざ空いている平日に行きました。

 

私は10歳くらいまで中心街に住んでおり、近所に7~8軒の映画館がありました。今では信じられませんが、昭和30年~40年代の前半、映画産業は賑わっていました…。

 

 

さすがに現在は頻繁に映画館へ通うことは出来ませんので、もっぱらスカパーの映画チャンネルやレンタルDVDなど、TVで観る事が多くなります。

 

どうしても手元に置きたくなる映画、忘れられない映画は通販でDVDを買い、いつでも観られるようにしていますが、割合でいうと洋画8割、邦画2割というところでしょうか。

 

 

さて本題です。

あえて「最低・最悪」と専門家から酷評を受けたミュージカル映画を、DVDで買ったことがあります。

 

それはオリビア・ニュートンジョンが主演のザナドゥです。

 

以前に地上波で観たことがあるのですが、その内容は残念ながらほとんど記憶に残っていませんでした。

「多分、全部観ていないはずだ。きっと途中から観たとか、事情があって途中でやめたとか…」と記憶が薄いことを自信に納得させ……。

 

 

どうしても終盤のミュージカル・シーン、「ザナドゥ」を歌うシーンが観たくて、DVDを注文してしまいました。

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さて、私の評価…。

コラッ カネ返せ!!

でした。

 

本当につまらない、内容のない映画です。

 

この映画、どの映画評を見ても「オリビアの歌と踊りのシーン以外、見るべきところナシ」と言われています。

評論家は「無理のあるあらすじ、設定や展開、陳腐なCGがドン引きした」と言っています。

 

私は「ザナドゥ」と言う曲はもちろん、音楽担当のELOもオリビア・ニュートンジョンも好きです。

 

 

終盤でこの曲が流れ大勢で踊るシーンがありますが、その時だけちょっと鳥肌が立ちました。

あれは本当によくできた曲。

「ザナドゥ」(テーマ曲)のためだけにある映画です。

ただしその時のオリビアの衣装が残念。

可愛さ半減……。

 

 

「ザナドゥ」が収録されたE.L.Oのアルバムも持っています。

もちろん「オリビア・ニュートンジョン」のアルバムも、「ザナドゥ」のシングルも持っています、ついでに言うと彼女のコンサートDVDも。

 

このDVDを買ったのは、彼女のビジュアルに負けた結果だと思います。

「いい年をして、まだ色気づくのか、アンタは…」と心の声。

 

古い話ですが「イルカが、クジラが可哀想」と日本公演を拒否したオリビア・バアさんのDVDを買うなんて…

愛国者として猛反省しました笑

 

 

さてもう一つの話に行きます。

私が愛してやまないシカゴのメンバーが映画出演した話です。

 

それは1974年劇場公開の

Electra Glide In Blue(邦題:グライド・イン・ブルー)

です。

 

当時「8人目のシカゴ(当時シカゴは7人だった)と呼ばれた彼らのプロデューサーJ・W・ガルシオが初監督した作品で、前年の「カンヌ映画祭正式出品作品」でした。

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普通の映画好きとは視点が違います。シカゴ・ファンとしては映画の出来より、映画とメンバーの関わり方、そして音楽に興味があります。

 

結局私の住んでいる街では劇場公開もなく、ビデオやDVDもまだない時代です。

映画を観たのは数年後のTV(地上波、〇曜ロードショー的な番組でした)。

 

映画の封切後、サントラ盤LPとシングル盤(エンディング・テーマ「テル・ミー」)を持っていた私は、出演しているシカゴのメンバーがどんな演技をしてくれるのかに興味がありました。

なにせ、まだミュージック・ビデオなど無い時代です。

動いているメンバーの姿は貴重。

 

 

映画は白バイ警官の汚職に絡む話になります。

タイトルの「エレクトラ・グライド」とはバイクの「ハーレーダビッドソン」の最新型のことらしく(バイクに詳しくないので)、モニュメントバレーを背景に繰り広げられる仲間同士のの裏切り、葛藤、殺し、そして最後の印象的なエンディングへと続きます

 

 

メンバー7人のうち、出演していたのは4人。それぞれ重要な役回りでした。

音楽面(サントラ)でも5人が参加し、エンディング・テーマ「テル・ミー」では当時のギタリスト「テリー・カス(故人)」が壮大なオーケストレーションに乗って、印象に残る見事な歌唱を披露してくれました。エンディングに繋がる映像も素晴らしかった

 

ラストの映像と音楽

心に残ったのはそれだけかもしれない

 

 

もしエンディング大賞があれば贈りたい!!

 

 

 

※注)ネタバレです。

ラストはこんな映像。警官がピストルで撃たれ、スローモーションでバイクから転げ落ちる。そして静かにピアノのイントロが始まり、歌が流れる……。

 

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 その他劇中では、シカゴの弟分(ガルシオがプロデュースしていたたまそう呼ばれていた)として我々当時のファンにはお馴染みのトリオ「マデュラ」の演奏シーンがあるなど、シカゴ・ファンとしては応えられないコアな映像でした。

 

私は10年ほど前、キング・レコードから映画のDVDが発売されていることを知り、懐かしくて購入。記憶では、製作から45年、最近はありませんが、地上波で2~3回放送されているはずです。

 

DVDの解説書には「どちらかというとカルト映画に分類される」と書いてありました。

確かにそうかもしれません……

 

 

映画の興行成績はおそらく駄目だったでしょう。

 

 

惨憺たる結果だったでしょう。

サントラ盤にしても、私の様な熱狂的なシカゴ・ファンが買っただけかもしれません。

確か、見開きのアルバムで20ページくらいのブックレット、映画の背景にもなっているモニュメントバレーにたたずむ景観とバイクが写っているポスター(約1m50㎝×約30㎝)、バイクのイラストポスターが付いていたような気がします。

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ガルシオはその後もう1作だけ映画を撮ったようですが、それについては全く情報がありません。それを最後に映画界から足を洗っています。

 

 

結局この映画は、コアなシカゴ・ファン、コアな映画ファンの心に

B級カルト映画

として残ることになるのでした(私はコアなので、全く構いませんが…)。

 

それではこの「カルトな話題」はこの辺でお開きに……。

 

 

 

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※伊勢太郎の父はかく語りきシリーズは不定期の投稿となります。